2007 ジャンケン大会 Lambrettaレポート 第9回 (連続12回)  

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 桜が咲くと、どうも落ち着かなくなる。昔の人もいろんな歌に詠んでいるけど、桜の季節というのは気がそぞろになるものらしい。ぱーっと咲いて、一週間ほどで散ってしまう、その慌しさに気が急く、というのが主な理由だろう。でも、どうもそれだけではないような気もする。

 満開の桜の下には人の死体が埋まってる、なんていわれる様な、そこはかとなく妖しい気配。人を惑わす脳内アホ化物質みたいなものを、奴らはきっと空気中に放散しているに違いない。って、奴ってゆーのもどーかとは思うが。

 さて、桜というと、神戸には「桜トンネル」という所がある。今まで何度か通ったけど、残念ながら桜の季節には行ったことが無い。桜の無い時期の桜トンネルはただのトンネル(っていうか枯れ木の並木)であって面白いこともなんもない。で、いつか一度桜の季節に行ってやろう、とかねがね思っていた。

 今年はどうも桜の時期に天候が不順で、見頃と言うか花見の出来る時期がとても短かったような気がする。そんな中、「明日は晴れるらしい」という予報を見て、これは行くしかない、と仕事を急遽「桜休暇」にして(って、そういう制度は無いのだけど自主的に有給休暇を運用して)、ランブレッタで出かけることにした。

 今日は24節気の一つ「清明」。その名前の通り良く晴れた気持ちの良い気候の中、臨港線を西へ。こんな幸せな気分で走れるのは、一年のうちそうそう何度も無い。調子の良くなったランブレッタは、2ストっぽく無い太く低いエグゾースト・ノートを奏でつつ、軽快に加速する。こうしていると、ベスパとはまた違ったキャラクターが際立って、走っていてとても楽しい。もし、今回みたいにじゃんけん大会で貰うとかでなければ、多分一生この乗り味を知る事は無かったのだろうなぁ、と思う。感謝、感謝である。

 芦屋から先は、まるで北京のように空気の悪そうな国道43号線を西へ西へ。三宮の手前で北へ折れて、きつい坂道を登る。摩耶ケーブルの駅を過ごすと、すぐに目的地の桜トンネル。


これが桜トンネル

 道の両側から、まるで覆いかぶさるようにソメイヨシノが咲いている。う、なかなか良い感じ。ただ、わりと枝が切られている。路線バスの経路でもあるので、枝がつかえて通れなくなったら切ってしまうのだろう。仕方ないとはいえ、勿体無い話だ。

 しばらく写真を撮ったりしてから、ランブレッタと一緒に桜のトンネルを楽しみつつ下る。見物の人々の間を、エンジンをかけずに、惰性で。今日、二回目の幸せなツーリング。


正式な交差点名が「桜トンネル南」


さて、「桜トンネル南」の交差点まで下って、次は夙川に行こうかな、とキックスターターを踏み降ろすと・・・エンジンが掛からない。嫌な予感。一月、二月と連続レッカー事件があって、それが三月は無くて、ようやく直ったかと思った矢先のことだけに、とおってもヤな予感。それを振り払うように、ひたすらキック。もう、キックの鬼。鬼ぃがぁリングぅで・・・って、歌はええって。とにかくキック。「二度あることは三度ある・・・」「やかましっ、黙っとれ」頭の中に浮かんでは消えるネガティブな考えを追いやりつつ、蹴り続ける。通行人の視線が痛い。四月下旬並みの陽気の中、つゆだく、じゃなくて、汗だくになって、三十分あまり闘って、結局負けた。ああそうじゃ、ここは山の上なんだから、下り坂を利用して押し掛けをしよう、と思いついた。で、三速に入れて、クラッチを握って、下り坂を惰性で下りつつクラッチを緩める。ぶるるるっ、と来る筈の期待を裏切って、すすぅーーーっと坂を下るランブレッタ。あれれれ、なんで?

 道端に止めて、キック再開。すかっ。すかっ。あー、キックが死んだぁ!

 クラッチが作用していないのか、蹴っても蹴ってもクランクが回らない。これはいかん、もうどうしようもない・・・。

エンジン掛からないので惰性で国道二号線まで来た

で、今年三回目のバイク屋さんレスキューお願い電話。
「なにー、今度はどこやー?」
「神戸―、国鉄の灘の駅らへんー」
「せやからあんまり遠くへ行ったらあかんてー、家から五キロ限定やてゆうてるやん」「ごめんー」

桜吹雪と共にまたもや入院のランブレッタ。
BRGまであと三ヶ月。果たして大丈夫なのか。
無事、パーティーに間に合うのか。乞う御期待。

今年三回目のこのシーン・・・

悔しいので、後でまたベスパで夙川へ行きました。



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